H30年度 夏合宿 前編(立山・剱・水平歩道)

  新人修練合宿の活動記録ブログ以来の4年の渡辺です。今回は私が計画しました夏合宿の前半をお伝えいたします。


移動日①
86日(月)    東京鍛冶橋駐車場(23:30発)===富山(6:40)(夜行バス利用)

 学校に夕方に集合し、各自パッキングを行います。その際、渡邉大地OBと某千葉県名門高校卒のKOBに来ていただき、差し入れをいただきました。出発の時には毛藤コーチも見送りに来てくださりました。お忙しい中ありがとうございます。
毛藤コーチごっつぁんです
 そして、ぽつぽつと雨が降っており、バス停で雨に降られたら嫌だなと思いながら、バスタ新宿と同じくらい世話になっている東京鍛冶橋駐車場へ。
 鍛冶橋駐車場でバスを待っていると河田コーチがお見送りに来てくださりました。ありがとうございました。



行動日①
87日(火)    電鉄富山□■□立山+++美女平===室堂―――みくりが池温泉―――雷鳥沢キャンプ場C1 

 翌朝富山駅に到着。
北陸新幹線開通で再開発された富山駅前
 電車の時間まで少し時間があるので、立山そばを食べました。
かまぼこに「立山」
このブログの途中に出てくる「仙人谷ダム・高熱隧道」を施工した佐藤工業本店
 富山地方鉄道の8:56発の特急立山3号に乗車します。
夏休みなのでとても混んでいると思っていたものの、そこまででした。
 途中、立山駅でケーブルカー、美女平駅でバスに乗り換え標高2450mの室堂を目指します。
立山黒部アルペンルートの始まり

 そして、4年生の我々は2年前のGW合宿ぶりの室堂にやってきました。
立山の前で記念撮影

 室堂からは、本日のテン場、雷鳥沢キャンプ場まで1時間ほどを歩きます。
室堂周辺は観光客だらけ、、
舗装された道を歩きます。

雷鳥沢は思ったほどは混んでません

行動日②
88日(水)  C1――― 一乗越―――雄山―――大汝山―――富士ノ折立―――別山―――剣御前小舎―――剣沢キャンプ場C2

 まずは一乗越を目指します。その途中で、
久々に見ました雷鳥
 一乗越からは急な登りです。まだ時間が早い為か、他に誰もいませんでしたが、夏休み期間は地元の小学生たちが登りに来るそう。
 そして、標高3003mの雄山に到着です。清宮は4年目にして初めての3000m峰
(ちなみに今までの最高は1年生の新人修練合宿で登った大天井岳)
 頂上では立山頂上雄山神社の神主さんに祈祷してもらいました。これで夏合宿も安心です。

 立山の最高峰自体はここから20分ほどの大汝山で標高は3015mです。
4年生3人の大汝のポーズ
 最後に立山三山の富士ノ折立に登ります。
標高は剱岳と同じ2999m

とても天気が良く山頂からの眺めは最高でした。
 ここからは真砂岳、別山方面へ向かいます。
縦走感
 剱沢へ下り始める手前の景色は最高でした。
真ん中に突き出しているのが剱岳
 ここから剱沢を下り、本日のテン場剱沢キャンプ場に到着
うち以外にも様々な団体が来ていました
 次の日には、台風13号が来るという予報だったので、不安がいっぱいでした。

行動日③
89日(木)  C2←――→一服剱←――→前剱←――→剱岳―――真砂沢キャンプ場

 朝3時に起きてみるとびっくり。満点の星空で、しかも風がほとんどありませんでした。台風が来ているはずでは、、

だんだんと道が険しくなっていきます

前剱で記念撮影


前剱の門という危険箇所


 カニのたてばいが見えてきました。

下から見るととても恐ろしいです
カニのたてばいから少し登ると山頂です。
登山道や山頂はもともと台風が来る日だった為、ほとんど人がいませんでした。とてもラッキーです。
8/11の山の日にNHKで北アルプスドローン大縦走「立山・剱岳」をやっていましたが、私もドローンを持っていきたかったです。
剱岳は日本で一番登るのが難しい日本百名山と言われていますが、私が1年生の夏合宿で登った北海道の幌尻岳の方が厳しいなと感じました。難しいのベクトルが違いますね。

山頂で記念撮影
古閑のよこばい



途中まで下山コースは登山コースと分かれています。途中からは元来た道を戻り、剱沢キャンプ場に向かいます。


剱沢キャンプ場からは全装で真砂沢キャンプ場まで向かいます。
ここでは剱沢雪渓があるので、軽アイゼンを用います。
雪渓の上のとても長い道のりです。
普通の登山道よりも神経を使いながら下っていきます。
途中左側から長次郎谷などが合流してきました。
長次郎谷は剱岳点の記で出てきた宇治長次郎に由来するそうです。気になる方は是非読んでみてください。
しばらく下ると本日のテン場が見えてきます。
真砂沢は数日ないと来れないような秘境なので、社会人よりも学生団体の方が圧倒的に多かったです。

行動日④
8月10日(金)C3―――南股―――仙人峠―――池の平キャンプ場C4
キャンプ場からしばらく沢沿いに進みます
序盤雪渓が少しあり、軽アイゼンを履きます
沢沿いはなかなか厳しい道でした。
橋を過ぎると、怒涛の急登でした。
あと30分で到着と思いきや、、
ここから阿曽原まで行くのは無理なので、どうしようか考えます。
とりあえず仙人池ヒュッテに向かいます。
 そこで、すぐ下にある水場を教えていただき、池の平キャンプ場に向かうことにしました。今年は8月上旬に全く雨が降らなかったので、どこも水不足だそうです。
冷たいお茶までいただいてしまいました。本当にありがとうございました。

元来た道を少し戻り、池の平に向かいます。
かつてモリブデンの鉱山として栄えたという池の平。
テン場にもモリブデンがたくさん落ちていました。


行動日⑤

811日(土)  C4―――仙人峠―――仙人温泉小屋―――仙人谷ダム―――阿曽原温泉小屋キャンプC5

この日は朝から雨。
途中、仙人池ヒュッテにより、昨日のお礼をしました。
その時に登山道の情報まで教えていただきました。ありがとうございます。

その後、沢を下っていきます。
途中また雪渓をいくつか渡りました。
ティラミスみたい
ひたすら下っていくと煙が見えます。
これが仙人温泉の源泉

雪渓が中途半端に溶けているせいで、沢を渡るのが大変です。
ここから少し登り返してからは仙人谷ダムまで下りが続きます。
そしてついに、、
僕がずっと来てみたかった場所
見てみたかったダム。
土木を志す学生には是非一度は見てもらいたい、建設時の苦難を知ってもらいたい。
そんな場所です。

ダムを眺めつつ下ります。
だんだんと近づいてきます
橋を渡ればもう少しです
少し水平歩道感が出てきました。
近い!!!!
ついに!!
到着!!
知る人ぞ知るダム「仙人谷ダム」
戦前の1940年に完成した重力式コンクリートダム
施工は地元富山の建設会社佐藤工業です。最初に少しふれましたね。
この人も寄せ付けないような黒部の奥地にダムを建設するには多くの苦難がありました。
その中でも特に有名なのが、ダム建設時に資材運搬用に建設されたトンネルです。
高熱隧道として有名なそのトンネルは岩盤温度が166℃にも達したと言われ、その高熱によりダイナマイトも自然発火してしまうほどでした。
しかも、追い打ちをかけるように泡雪崩と呼ばれる、日本では珍しい雪崩が作業員が寝泊まりする頑丈な宿舎を宿舎ごと吹っ飛ばしてしまうのです。
戦争中ということもあり、この国家事業の犠牲者は300人を超えたそうです。
今ではありえない話です。
戦後日本の高度成長の電力需要に応える為に建設された黒部ダム(と黒部第四発電所)建設の物資運搬用トンネル工事の様子を描いた「黒部の太陽」は有名ですが、こっちはあまり知られてはいません。
吉村昭の小説「高熱隧道」にその苦闘が詳細に描かれているので、興味のある方は読んでみてください。
阿曽原温泉に向かうには、この冬季歩道を使用します。
奥に見えるのが高熱隧道
高熱隧道の横を通るだけで熱気を感じます。
仙人谷駅
この黒部峡谷鉄道上部軌道は欅平から黒四ダムまで繋がっています。
覆工されていないので岩盤が見えています。
冬季歩道の入り口は牢屋みたいです
関西電力人見平宿舎
これだけ見ると下界に下りてきたよう
でもさようなら
また来たいと思えるような78年も前にできた素敵な場所でした。
コンクリートは偉大です。

さて、ここからも僕が来てみたかった場所。水平歩道です。
水平歩道も、ダム建設時の資材運搬の為に崖っぷちに作られた歩道です。

関西電力が整備しているだけあってとてもよく整備してあります。

そして、ややハプニングがあったものの、本日のテン場阿曽原温泉に到着です。
阿曽原温泉もダム建設時にはとても栄えていたそうです。
実はこの建物はプレハブで毎年秋になると解体しているそうです。
大自然の中の最高の露天風呂
テン場では、雨でぬれたものを乾かします。

行動日⑥
812日(日)  C5―――水平歩道―――欅平―――祖母谷温泉キャンプ場C6
  
この日も水平歩道の続きです
最初の登り返しがきつい
すぐ横は崖
途中150mのトンネルもあります。ヘッドライト必要です。
トンネル好きにはたまらないところです。

本当に水平
そして欅平を通り過ぎ、祖母谷に向かいます。
欅平は観光客ばかりで居場所がありませんでした。

今日も温泉があります。男湯は見られ放題
 さて、明日は停滞日です。
813日(月)  停滞日① 祖母谷温泉キャンプ場C6,7

この日は、黒部峡谷鉄道に乗って、宇奈月の町まで下りて後半分の食料などを回収します。

実は去年の夏合宿で行った、台湾の阿里山にある「阿里山森林鉄路」と友好協定を結んでいます

宇奈月は意外と賑わっていました。
ここで久しぶりの美味しいものを食べ、洗濯をし、荷物を回収です。


それでは前半編はここまでです。
後半編も是非ご覧ください!


コメント

頭ポップコーン さんのコメント…
ダムに対する熱い思いが伝わってきました
姉が泡雪崩をこのブログで初めて知り、とても驚いております

剱岳山頂の集合写真は永久保存版ですね!!
更新ありがとうございました
aaib1360 さんの投稿…
故松田章氏との黒部下廊の山レコを添付致します。


https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-150641.htm
aaib1360 さんの投稿…
故松田章氏との黒部下廊の山レコを添付致します。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-150641.html


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