H30年度 夏合宿 後編(白馬岳)

!!白馬の頂上は最高でした!!
白馬稜線より剱岳を望む

こんにちは。剱沢の残雪とティラミス氷の見た目が似ていた件が頭から離れない2年五十嵐です。渡辺さんの後を引き継ぎまして先日行われた平成30年度夏合宿後半の様子をご報告します。
似ている……
食べられる雪渓
美味です
合宿後半について、当初は餓鬼山避難小屋経由で不帰キレットを越えて栂海新道に抜けていく計画でしたが、天候の悪化などを受けて計画の変更を行いました。それでは本編に入ります。宜しくお願いいたします。

8月13日 停滞日①
天気:曇り時々雨
祖母谷温泉C6,7←─→宇奈月温泉

寂しさの滲む哀愁のトロッコ
この日は数日ぶりの下界、宇奈月温泉という大都会に感動しつつ郵便局留めにしていた後半分の食糧を受け取り、途中下山組の方へ荷物の受け渡しや、洗濯・買い出しなどを行いました。帰りは終電ならぬ終トロッコ列車に乗って欅平に戻ります。7人が5人になってしまい寂しさが漂っていましたが、欅平駅にて自棄気味のハイテンション集合写真を撮影することで何とか合宿後半をスタートさせました。
全ては気合と根性で乗り切れると信じて
この日の夕食は『キャベツめし』。恐らく本合宿における最強の一品です。ご飯とキャベツ、ささやかなウインナーが織りなす伝説級のハーモニーをご想像下さい。夜空は若干雲がかかってはいたものの、ペルセウス座流星群の極大日に近かったため流星を何度か目にする事ができました。
気合と根性で出来た素敵な夜ご飯です

8月14日 行動日⑦
天気:晴れ
C7───不帰岳避難小屋C8

大きなカエルさんも登っていました
早朝に祖母谷を出発し、百貫山の山腹を伝って不帰岳避難小屋に向かいました。このルートは下山路として利用されることが多いようで、「百貫の大下り」と呼ばれる急坂があります。早朝とはいえ連日続いた暑さの中で『大下り』を登るのは久々の辛さを感じました。
この倒木は乗り越えられないため下を潜り抜けます
80Lザックを背負って匍匐前進!!
北アルプスといえば、個人的には整備された登山道のイメージが強かったのですが、ここはあまり人が通らない道で標高も低いため、鬱蒼とした樹林帯が続き「ここは何処の奥多摩だ~!」と幾度か叫びました。
暑さの中で「大下り」を大登り
不帰岳避難小屋は小規模ながらもしっかりとした造りの小屋で、少し下ったところに水場があります。尾根に近い場所ですが水量も豊富でした。トイレはありません。この日は私たち5人のほかに、3人の方が泊まっていました。8人でちょうど各自が広々使えるくらいの広さです。
昼前の到着で、最も暑くなる時間帯は回避しました
小屋でお昼寝タイムです

8月15日 行動日⑧
天気:晴れのち雨
C8───清水(しょうず)岳───白馬岳───小蓮華山───白馬大池C9

虫と共に休憩するには腕を振り回し続けるしかありません
昨日と同じく早朝に満天の星空を眺めながら出発し、朝焼けに照らされながら清水尾根を登りました。清水岳の手前は好展望でお花畑が広がります……が、お花畑に喜んでいるのは人間だけではありません。虫さんもいます。虫が大量にいます。彼らのテリトリーにお邪魔して一本を取るのは大変でした。耳元に虫、うちわに複数ヒットする虫、写真に入り込む虫、手帳ページの隙間に虫、スマホのカバーに挟まる虫、虫、虫……。
左上に虫が映り込んでいますが朝焼けの剱岳はかっこいいです
虫対策に抜かりのなかった武田さん
虫の大群と同時に、朝焼けに染まった美しい剱岳の姿も忘れられません。すべてを含めてまさに大自然です。登ってきた山を遙か向こうに眺める達成感は、縦走合宿ならではの醍醐味だと思いました。私は「剱岳やばい(=かっこいい)」と頭の悪い感想を数分毎にこぼしながら進みました。
平坦な雪田を自由に歩きます
小屋が見えてきました
標高を上げるにつれて虫も少なくなり、お花畑や雪田を通って白馬岳に到着しました。最高の天気でした!!!以前登った際に悪天だった身としては、北アルプスの山々や日本海、能登半島まで望む大展望の素晴らしさへの感動はひとしおでした。
青空のもと集合写真
中心にあるこの風景指示盤は新田次郎の小説「強力伝」のモデルになったもので、
御殿場の強力である小見山正が昭和16年に担ぎ上げたものです
山頂で長く過ごしたかったのですが、天気とは裏腹に天気図では日本の周りを低気圧が囲い、前線も張り出して午後から荒天になる予報だったので名残惜しくも早々に白馬大池へ向かって下山します。
北アルプスで特徴的な二重稜線と非対称山稜がばっちりです
白馬岳周辺の地形は非常に面白いです
ところで、小蓮華山といえばNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」のエンディングムービーに登場するあの稜線の場所でもあります。正確には白馬大池→小蓮華山の稜線なのでルートとしては逆になりますが、合宿直前にエンディング曲を聴き続けて後立山ポテンシャルを高めてきた私は、計画変更の偶然とはいえ来るべき時の到来を感じました。
エンディング曲の脳内再生が始まります
後立山連峰Foooooooooo!!
天気もガスり始めて、ますますエンディングのようになり、テンンションは1人だけ非常に上がっておりました。雷鳥坂もガスがかかっていたのでライチョウに会いやすくなるのでは?と期待しましたが残念ながら会えませんでした。坂を下ってケルンの点在する平地を行き、白馬大池に到着します。
ライチョウ談義をしながら進みます
個人としては実に5年ぶりでした
白馬大池は名の通りの大きな池と湿地がある素敵な場所です。テント設営の直後にちょうど雨が降りだしました。夕食は本合宿で新登場かつ高評価を受けたシチューパスタです。翌日下山のため使わなかった具材も入れて豪華になりました。勢いあまってカルパスまで入れたのは余計だったと食糧係としては若干反省しています。
私がコンバーチブルのトレッキングパンツを愛用する理由は
池に入るためです

8月16日 行動日⑨
天気:雨
C9───白馬乗鞍岳───栂池自然園+++栂池高原

小雨のなか撤収を行い、薄暗い中の出発でした。白馬大池沿いにあるガレ場のゆるい登りを行きます。暗いのでマークが見つけづらく、足元も濡れているので何度か転けて岩の隙間に足が滑り込みました。白馬乗鞍岳を越えた辺りで後半初のライチョウに邂逅しました。喜びのあまり名前を思い出せず「……チョウです!!」としか言えませんでした。
白馬乗鞍岳の山頂にて
ライチョウです
白馬乗鞍岳以降は足元が滑りやすい中で大きめのガレ場を下り、さらに途中には雪渓もあったので中々気の抜けない道でした。その先の天狗原・栂池自然園一帯は晴れていたら雲上の楽園と言われますが、今回はあいにくの雨で通過しました。そしてロープウェイの駅に到着です。ここで解散式を行いました。
ガレ場と雪渓とガレ場
ロープウェイ栂池自然園駅まで下っていきます
ロープウェイ・ゴンドラを乗り継ぎ栂池高原に降り、そこからバスに乗って白馬八方の湯に入り各自が帰路に着きました。私はあずさ26号に乗るために白馬駅に向かいましたが、駅に着くと雨がますます強くなり、糸魚川~南小谷間が大雨で運休との情報があって今頃山の上はどうなっているだろうか……と案じました(奇しくも高校同期が白馬山荘でアルバイト中だったと下山後に知り、聞いたところかなりの大荒れだったようです)。
宇奈月温泉でも白馬駅でもとんかつ定食を食べました
あずさに乗って帰ると、八王子からだんだんと山が消えて東京の雰囲気が強まっていくのを感じます。この文中でも何度か触れましたが白馬岳~栂池高原までの道は私が高校1年の夏合宿で辿った道のりでもあるので、電車に揺られながらこれまでの山と自分について考えることは様々なものがありました。

部としても、この合宿では大小様々なアクシデントや天候悪化により思うように行かない面も多くありましたが、小屋の方に助けていただいたり、主たる山頂が全て晴天であったことなど、良かった点がそれ以上にありました。特に後半においては人数が減ってしまい一時はどうなる事かと思われましたが、叫んで喚いてとりあえず笑って、そのあと冷静に考えて安全な合宿を確実に進めていくことが出来たように思います。解散式では秋になって4年生が引退してからの事も含めた話もいくつか出され、私を含め残された学年は今回の経験を糧にして今後に生かしていく必要を改めて感じました。

と、真面目に考えてはおりますがやはり言いたいことはこの一点です。

夏合宿楽しかったです!!!

以後、超個人選の楽しい夏合宿ライブラリとなります 
写真の構図に定評のある古閑さん
2006年に復活した立山の風景指示盤もかつては白馬岳と同じ形状であったとされています
8/8 行動日② 立山(雄山)三角点にて
アイテム【木の枝】を手に入れた歓喜の清宮さん
8/9 行動日③ 剣沢雪渓にて
池の平小屋の方からいただいたバケツのお水
残った最後は頭から……の直前を激写
8/10 行動日④ 池の平キャンプ場にて
仙人谷ダムで設けた「ダム休憩」にて爽やかな笑顔の我らが主将
8/11 行動日⑤ 仙人谷ダムにて
終トロッコ列車に乗り、見送りのマスコットキャラクターに全力で手を振る武田さん
欅平へ向かう帰路の謎テンションに平野さんもあわせて笑っております
8/13 停滞日① 宇奈月温泉駅にて
遠くに見える剱岳・石川さん・えこぴょん・日本海と夏合宿後半ハイライトを一画面に
8/15 行動日⑧ 白馬岳頂上にて
色々ありましたが部員全員で出発することができて本当に良かったと思います!!
8/6 移動日① 法政大学市ヶ谷キャンパスにて

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 2年五十嵐

コメント

aaib1360 さんの投稿…
だいぶ計画を変更したのです。
山は天候次第で変更も仕方がないでしょう。
次回チャレンジの宿題が有りますね。
白馬から朝日岳・レンゲ温泉と朝日岳・栂海新道のヤマレコを添付しますので参考にして下さい。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-131603.html
aaib1360 さんの投稿…

白馬から朝日岳・蓮華温泉の添付を漏らしました。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-139532.html

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